地震解錠ボックス開発の経緯
大地震発生直後、あるドキュメント番組で「バール1本あれば、もっと人を助けることができた・・・」と話した方がいました。阪神淡路大震災では救助された方々の80%が共助によるものというデータがでています。
防災倉庫には人命救助に必要なバール・ジャッキ・ロープ等の防災資機材が収納されていて、通常は施錠されています。また、東日本大震災以降、防災意識が高まり、全国的に避難所・津波避難タワー等の整備がすすんでいます。
庁舎・市民センター・小中学校等の公的施設が大半で夜間や休日には無人となり、地震災害時、津波発生時には一刻も早く開放し避難可能な状態にする必要があります。
通常施錠されている防災倉庫や避難所は、地震災害時一刻も早く解錠しなければなりません。しかし、いつ発生するか分からない地震災害、カギの管理者が現地に行かないと解錠することはできません。
避難所 | カギの管理者 | 問題点 |
---|---|---|
小・中学校 | 校長・教頭先生 | 夜間・休日は中に入れない |
市民センター | センター長 | 平日夜間・休館日 |
コミュニティーセンター | 施設管理者 | 平日夜間・休館日 |
津波避難タワー | 行政担当者 | 近くにいない |
公民館 | 自治会担当者 | 高齢者が多い |
防災倉庫 | 自治会担当者 | 高齢者が多い |
カギの管理者が外出や、既に被災されている等、現地にカギを持ってくることができない場合が想定されます。カギの管理を解決すべく、地震の揺れを検知し自動解錠する装置を開発することになりました。
地震発生と同時に停電になる可能性もあるため、電気・電池は一切使わず機械式にこだわり、特に防災倉庫は解錠さえしていれば、誰でも資機材を使用し人命救助にあたってもらえます。
従来のカギの管理方法のプラスワンとして地震解錠ボックスを運用頂ければ安心感をアップさせることができます。
震災発生時、カギがなくても自動解錠「地震解錠ボックス」の誕生
地震解錠ボックスは、地震のレベルを検知し自動解錠します。民家が倒壊するような地震(震度6弱程度)で自動解錠する様、防災倉庫に取付けました。
解錠した防災倉庫より防災資機材を取り出し人命救助にあたるという機能を、ある人の助言によりボックスにしたものが「地震解錠ボックス」です。
ボックスの中には、カギの他に懐中電灯やラジオなど防災必需品も保管できます。装置は電気・電池を一切使わない構造なので、停電があったとしても安心して使用することができます。